結婚相談所 / 条文どおりに計算する
結婚相談所の違約金 計算ツール——条文の上限を、その場で出す
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結婚相談所を途中でやめたとき、事業者が請求できる額には法律の上限があります。 その上限を、入力した金額から計算します。
使っているのは特定商取引法 第49条第2項と、同法施行令 別表第四 七の項です。この2つに書いてある計算をそのまま実行しているだけで、独自の推計は一切していません。
1. サービスは、もう始まっていますか
条文は「役務提供開始前」「役務提供開始後」で上限を分けています。どちらに当たるかは契約書面の提供開始日で決まります。
2. 契約した金額の総額
円条文でいう「対価の総額」です。入会金・月会費・成婚料など、その契約で払うことになっている合計を入れてください。
3. すでに受けたサービスの分の金額
円ここは条文から一意に決まりません。 何がここに入るかは条文が定めておらず、実際の請求で揉めるのもここです。相談所が出した内訳の数字を入れて、上限と突き合わせるのが使い方です。
金額を入力してください。
この数字は「返ってくる額」ではありません。 条文が定めているのは、事業者が請求できる額の上限です。すでに払った額からこの上限を引いた分が戻る、という関係になります。
そして、上限を超える定めが契約書にあっても無効です(法49条7項。受け取る側に不利なものに限る)。逆に、条文より有利な定めはそのまま効きます。
01この計算が使えない場合が3つあります
契約が2月以下、または5万円以下のとき
この章が働くのは、期間が2月を超え、かつ金額が5万円を超える契約です(法41条1項1号、施行令24条)。どちらか片方でも下回れば、上の計算は使えません。 安いプランほど、この保護から外れやすいということです。
割賦販売にあたるとき
法第50条第2項が、割賦販売により提供・販売するものについて法49条2項を適用しないと定めています。「割賦販売」は条文の言葉で、日常語の「分割払い」と同じではありません。 支払回数を分けた契約がすべて当たるとは限らず、判定は割賦販売法の側の定義によります。
編集部は、その場合に代わりに何が働くかを調べていません。 支払回数を分ける契約を勧められたときは、契約書を持って消費生活センターで確認してください。
まだ8日以内のとき
契約書面を受け取った日から8日以内なら、クーリング・オフのほうが有利です(法48条)。この場合、すでに面談やお見合いが行われていても、その対価を請求されません(法48条6項)。上の計算をする必要がありません。
02計算の根拠
上限を決めている条文
法第49条第2項が、請求できる額に上限をかけています。損害賠償額の予定や違約金の定めがあっても、次の額に法定利率の遅延損害金を加えた金額を超えては請求できない、という書き方です。
一 当該特定継続的役務提供契約の解除が特定継続的役務の提供開始後である場合 次の額を合算した額
イ 提供された特定継続的役務の対価に相当する額
ロ 当該特定継続的役務提供契約の解除によつて通常生ずる損害の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額
二 当該特定継続的役務提供契約の解除が特定継続的役務の提供開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額
(特定商取引に関する法律 第49条第2項第1号・第2号。e-Gov法令APIで取得した原文を確認、2026年8月5日)
政令が入れている実額
「政令で定める額」の中身は、施行令の別表第四に、結婚相手紹介サービスの行としてそのまま書いてあります。
七 結婚を希望する者への異性の紹介
特定継続的役務提供の期間:二月
契約の解除によつて通常生ずる損害の額:二万円又は契約残額の百分の二十に相当する額のいずれか低い額
契約の締結及び履行のために通常要する費用の額:三万円
(特定商取引に関する法律施行令 別表第四 七の項。欄の名前は同表の表頭から。e-Gov法令APIで取得した原文を確認、2026年8月5日)
法第49条第2項から別表第四へは、施行令の2条が橋渡しをしています。施行令第30条が第1号ロの額を第三欄に、施行令第31条が第2号の額を第四欄に、それぞれ結びつけています。
「契約残額」の定義
別表第四の一の項の括弧書きに定義があります。原文は「当該特定継続的役務提供契約に係る特定継続的役務の対価の総額から提供された特定継続的役務の対価に相当する額を控除した額」。総額から、もう受けた分を引いた額です。「以下この表において」とあるので、七の項でも同じ意味になります。
「低いほう」を採るので、10万円で頭打ちになる
契約残額の20%が2万円に届くのは残額10万円のときです。それを超えると20%のほうが大きくなり、低いほうを採るので残額が10万円を超えたところで、この部分は2万円で止まります。
| 契約残額 | その20% | 2万円と比べて低いほう=上限 |
|---|---|---|
| 3万円 | 6,000円 | 6,000円 |
| 5万円 | 1万円 | 1万円 |
| 10万円 | 2万円 | 2万円(ここで並ぶ) |
| 20万円 | 4万円 | 2万円 |
| 50万円 | 10万円 | 2万円 |
実際の金額で見ると、上乗せは2万円で止まる
上限の合計は「すでに受けた分」と「ロ」の足し算です。ロが2万円で頭打ちになるということは、違約金として上乗せされる部分は、契約がどれだけ高くても2万円までしか増えないということになります。
| 契約総額 | すでに受けた分 | 契約残額 | ロ | 請求できる上限 |
|---|---|---|---|---|
| 30万円 | 0円 | 30万円 | 2万円 | 2万円 |
| 30万円 | 10万円 | 20万円 | 2万円 | 12万円 |
| 30万円 | 25万円 | 5万円 | 1万円 | 26万円 |
| 50万円 | 0円 | 50万円 | 2万円 | 2万円 |
| 50万円 | 20万円 | 30万円 | 2万円 | 22万円 |
| 50万円 | 45万円 | 5万円 | 1万円 | 46万円 |
| 80万円 | 0円 | 80万円 | 2万円 | 2万円 |
| 80万円 | 40万円 | 40万円 | 2万円 | 42万円 |
| 80万円 | 78万円 | 2万円 | 4,000円 | 78万4,000円 |
動いていない列があります。ロは、総額が30万円でも80万円でも2万円のままです。下がるのは残額が10万円を切ったときだけで、そこでは20%のほうが低くなります。
だから請求書を受け取ったとき、先に確かめるのは総額ではありません。「すでに受けた分」としていくら計上されているかです。ところが、そこに何をいくら入れてよいのかは、条文が書いていません。
03このツールが答えられないこと
「すでに受けたサービスの分の金額」が実際にいくらなのかは、条文から決まりません。 第1号のイは「提供された特定継続的役務の対価に相当する額」としか書いておらず、金額の上限も、何がここに入るかも定めていません。
入会金、登録料、紹介料、活動サポート費。これらが「提供された役務の対価」なのか、それとも別の性質のものなのか。条文の文言だけからは決まりません。 実際の請求で揉めるのは、たいていここです。
編集部は裁判例にあたっていないので、どちらが正しいとは書きません。 このツールの使い方は、相談所が出した内訳の数字をそのまま入れて、ロの部分(2万円 か 残額の20%)が上限を超えていないかを確かめることです。
金額が折り合わないときは、精算方法が書かれた書面をもらって、消費者ホットライン188か、お住まいの消費生活センターに持っていってください(相談は無料ですが、188への通話料はかかります)。
04もっと詳しい解説
この計算の背景、クーリング・オフとの違い、関連商品(指輪・真珠)の扱い、条文より不利な特約が無効になる仕組みまでは、別の記事に書いています。
→ 結婚相談所の退会費用——違約金の上限を、条文から計算する
やめる前ではなく、入る前に条件を確かめたい場合はこちらです。
勧誘で嘘を言われた場合など、上限の話とは別の道が残っている場面もあります。
→ 結婚相談所のトラブル——条文別の対処と、契約を取り消せる条件
このページは法令の条文にもとづく一般的な整理であって、個別の契約についての法的助言ではありません。条文は特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)および特定商取引に関する法律施行令(昭和51年政令第295号)を、e-Gov法令APIから取得した原文XMLによります。
入力した金額はブラウザの中だけで計算しており、どこにも送信していません。